レポートの言い換え・パラフレ技法集

テキストの丸写しにならずに、テキストの内容を言い換えて写していく方法。パラフレーズ(paraphrase)、略してパラフレ。課題のタイプが単純なテキストのまとめのみのときに有効。また、アイデアがうまく文章にできないときにも役立つ。

もともとは英文ライティングの技法(なぜか国語の授業ではちらっとテストに出るぐらい)としてよく使われる。パラフレは2種類ある。語句パラフレと文パラフレの2つ。

 

 

*** 語句パラフレ(言葉の言い換え)の実践 ***

「噛み砕き」

各まとめの1文を噛み砕く、なるべく漢字を使わないようにしてみる。(あとで必要なとこは戻す。)

例:少子化→子供の人数の減少→こどもがへっている

例:自己を構築→自分自身を形づくる→アイデンティティーをつくる

例:必要である→すべきである

 

「漢字化」 

逆に漢字をなるべく使う。

例:自分が自分であるという自覚 → 自己同一性

例:いろいろな考え方がある→価値観が様々である→価値観が多様。

 

噛み砕き、漢字化で、同じ意味になりうる類語や不自然にならない類語を探す。

例:子供、生徒、児童、クラスの子たち

例:学習、勉強、習得、体得、身につける、学ぶ、習う

例:組織、グループ、体制

例;重要、大切、必要、大事、欠かせない、 

 

 

*** 文パラフレ(文章の言い換え)の実践 ***

「順番替え」

前に〜、を後から〜、など前後関係や因果関係を入れ替える。

例:クラスに問題が発生して、教師はそれから対応する。

→ 教師が対応する前に、問題が発生している。

例:スマホが普及したため、学習時間が減っている。

→学習時間が減った原因はスマホが普及したことだ。

 

「否定替え」

〜する。を 〜しない。にする。

例:現状では、クラスに問題が発生してから対応する

→ 現状では、クラスに問題が発生する前に対応していない

 

「比較替え」

順位を考えたり、順位や立場を入れ替える。

例:低学年において理科は、算数よりも論理的に考える機会が多い

→低学年において算数は、理科の次に論理的に考える機会が多い。

→低学年において算数は、理科よりは論理的に考える機会が少ない

 

「受け身替え」

立場(主語)を入れ替える。英語の受動態と同じ。

例:私の考え方はその生徒の主張を聞いて変わった。

その生徒の主張が私の考え方を変えた。

 

*** パラフレのしくみ ***

 

1、言葉のパラフレのしくみ

言葉には、同じ意味の言葉でも意味の含蓄量によって、

具体(例) <————>  抽象(まとめ) の度合いがある。下のような傾向が強い。

 

ひらがなでしか表せない言葉(具体) <————> 漢字で表せる言葉(抽象)

動詞(具体) <————> 名詞(抽象)

 

別の言い方で言えば、類語は「具体例用」と「まとめ用」の言葉がある。文を自分なりの言葉にしたければ、それらを置き換えればよい。

・「まとめ用」から「具体例用」に書き換えるなら噛み砕く。

・「具体例用」から「まとめ用」に書き換えるなら名詞化や漢字化をする。

 

2、文章のパラフレのしくみ(ちょっと難しめ)

文章には、同じ意味でも、

順番(前後・因果)、否定、比較、受け身の4つの文の構造が違うものがある。

この構造は以下のようなポイントを替えることで文章の意味はそのままに言い換えが可能。

 

順番では、先のこと→後のこと を 後のこと→先のこと(時系列)にしたり、原因→結果 を 結果→原因 (因果関係)にする。

否定では、〜である、だった を 〜でない、なかった、の語尾を替え、それに合わせて、肯定・否定を入れ替える。

比較では、順位によって立場を替え、良し悪しの立場を逆にしたりする。

受け身では、英語と同じように主語を替え、能動態・受動態を入れ替える。

 

*** パレフレまとめ ***

テキストの要約がコピー状態で困ったら6パターンでパラフレ。 

言葉は「噛み砕き」と「漢字化」

文章全体は「順番」「否定」「比較」「受け身」

 

レポートの文章のクオリティ・表現力(内容以外)は、言い換え語句・文のストック量によるところが大きい。