修飾除外によるテキストの読み方

難しい説明文を確実に読んでいく方法。ただ何回なぞって読んでも難しい文は頭には入らないし、「何がわからないのか」がわからない状態になる。修飾除外なら、ほとんど自動的にわかる部分だけ取り出して、文の内容を頭に入れることが可能。受験英語でいう構文解釈。修飾除外とは説明している部分(修飾語)を除くこと。

 

*** 1つの文に出てくる3つの語 ***

この3つだけは理解する。

1、述語 

 文章の最後にある「〜する、〜ある、〜いる」で終わるもの。その形に直せるもの。動きや存在・状態を示す。文の途中に出る場合もあり。句読点(、)や切れ目によって見分ける。

2、主語

 述語の対になる動いたり、存在しているモノ・事実。「〜は」、「〜が」などが基本。でてこない場合も多い。「〜も」や「〜にとって」などの形もとる。形だけで判別は不可。

 3、修飾語

 説明をつけ足すもの。なくても文章の形がおかしくならない。主語・述語は抜き出すと文章の意味がわからなくなる。

注)固まりが大きい場合は、主部・述部・修飾部とも言う。

 

*** 修飾除外の実践例(1文の読み方) *** 

 1回読んでも頭に入らない難しい文の場合、次の手順でもう2回読む。最後にメモを残しておく。

述語・主語見る。→ 読んで、考える・修飾除外。→ 読んで、言い換え。

<例文>

 明治四年、廃藩置県が行なわれ、中央における政府の行政機構がつくられることとなり、教育行政の府として同年七月文部省が設置された。これから文部省が全国の諸学校をすべて統轄する制度となった。(引用:文部科学省 学生百年史)

  

1、「述語を見る」。文章の最後にある「〜する、〜ある、〜いる」で終わるものを探す。

<例>下線だけ見る。どこまで含むかはあまり厳密に考えない。 多少長くとってもいい。

明治四年、廃藩置県が行なわれ、中央における政府の行政機構がつくられることとなり、教育行政の府として同年七月文部省が設置された。これから文部省が全国の諸学校をすべて統轄する制度となった。

 

2、述語に対応する「主語を見る」。

<例>太字・斜めの文字を見つける。すぐにわからなければ無視。

明治四年、廃藩置県が行なわれ、中央における政府の行政機構がつくられることとなり、教育行政の府として同年七月文部省が設置された。これから文部省が全国の諸学校をすべて統轄する制度となった。

・述語に合うように、意味が成り立つよう最低限に主語だけ抜き出す。主語はない場合もあるので、わからなければ切り上げる。

 

3、述語・主語だけを読み、頭で「考える(疑問を浮かべる)」。

<例>

文部省が設置された。→なんで?文部省は文部科学省。一番最初に明治と書いてあった。

文部省が制度となった。→どんな制度?

・文章は成り立っても意味や意図がわからないのでそこに突っ込みをいれる。

 

4、もう一度読み直すが、疑問に答える部分・必要な部分以外は「除外」。

<例>線の部分は飛ばすと決める。

 明治四年、廃藩置県が行なわれ、中央における政府の行政機構がつくられることとなり、教育行政の府として同年七月文部省が設置された。これから文部省が全国の諸学校をすべて統轄する制度となった。

・明治4年というのが重要に思えたので残す。なんで文部省が設置されたのかについて「…行なわれ」、「…こととなり」、「…として」と区切りごとに見ていくと教育行政の府としてが理由のようだと検討がつく。

 

注)「行なわれ」「なり」も述語だが、文全体の述語でない。最初は修飾している部分と見なす。

 

5、わからないもの、細かくていらないものは「除外する」。

<例>そうはいっても「教育行政の府」の意味が漢字ばっかりで、やっぱりピンとこない。無視すると決める。

 明治四年、廃藩置県が行なわれ、中央における政府の行政機構がつくられることとなり、教育行政の府として同年七月文部省が設置された。これから文部省が全国の諸学校をすべて統轄する制度となった。

・単語の意味がよくわからなければ無理して読まず、「?」マークでも書き込んでおく。あとで何度も出てくるようであれば、その単語は調べる。

 

6、もう1度、残ってできた文章を読む。頭の中で内容を「言い換え・パラフレ」。

<例>今、読んだ文を言い換えるとつまり、、、と頭の中でつぶやいて言い換える。

  明治四年に文部省(今の文部科学省の前身)が設置された。このときから、文部省は全国の学校をすべて管理するシステム・役所となっている

 

・重要なのは、これで「完全にわかる部分」「それ以外のよくわからない部分」がはっきり分かれること。

・わからない部分については、一度ある程度のページ・区切りを読んでからさらに読み込む。わからない語句の意味を辞書・テキスト・ネットで調べる。繰り返し出てくるものや、重要と思われるもののみ調べる。

 ・テキストの該当部分にアンダーライン、余白に言い換えの一部をメモする。

  

*** 修飾除外のしくみ ***

文は説明する部分(修飾部分)が長いほど、意味がとらえにくい。そこで1回読んでわからなければ述語・主語を残し、必要なもの・わかるもの以外を除外する。文法が正しくても、修飾部分の順番や繋がり方をバラバラにされるとわかりにくくなる。詳しくは下記の本を参照。

日本語の作文技術

自分の言葉を使って意味の繋がり方が決められないと、文章は「わからない」。そこで繋がりが薄い修飾語、なくても文全体がくずれない修飾語を除外し、自分の言葉に言い換えて理解をだんだん深める。文法が正しくても、自分にとって言葉と言葉の意味の繋がり方がわからなければ理解できない。

詳しくは下記の本を参照。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

  

注)「修飾除外」という正式な技法名は存在しない。